異物の混入や、紫外線により角膜表面が削れた状態です。ゴミが入った時やスキーの雪目、溶接後に発症するものです。強い異物感と疼痛があります。抗菌剤等の点眼により大部分は治癒しますが、感染を起こすと重症化します。
単純ヘルペスウィルスや帯状ヘルペスウィルスによるもので、疼痛、異物感、充血があります。抗ウィルス剤の点眼により数週間でよくなることが多いのですが、完治は難しく、免疫力の低下や体力が落ちた時などに再発しやすく、角膜深部に影響すると角膜が混濁して視力低下を招きます。
角膜・結膜上に増殖物が発生したものです。大変ゆっくりした進行で、そのまま経過を観察している場合が多いのですが、瞳孔近くになると視力低下を発症するため、切除します。手術は20~30分程度で入院等は必要ありません。
代表的なものは結膜炎で以下の3つが最も頻繁にみられます。
充血、異物感と著しい眼脂(めやに)等がみられます。ほとんどは抗菌剤の点眼により数日で治癒します。
充血、異物感などがみられ、細菌感染を合併すると多量の眼脂(めやに)が出ます。ウィルスに対する治療薬はありませんが、細菌感染予防の為に抗菌薬を、また炎症を軽滅するために消炎剤を点眼します。多くは2週間前後で治癒しますが、大変移りやすく、学校保健法によりその間は登校停止となります。
掻痒感(かゆみ)、充血、流涙などの症状がある花粉症が代表する疾患です。花粉の他にはホコリ、ダニ、動物の毛などが原因になります。抗アレルギー剤やステロイド剤の点眼により症状は改善されますが完治はできません。最近はスギ花粉症に対しては舌下免疫療法により根治、あるいは長期間の軽快を得ることが可能になってきました。
詳しくは鳥居薬品舌下免疫療法HPをご参照ください。
眼内の水を房水と言いますが、これは毛様体で作られ、眼内を循環したあと、隅角から眼外に流出されます。(目の構造の部を参照)
この隅角からの房水流出が妨げられ、眼内圧が上昇することにより視神経が障害され視機能が低下する疾患が緑内障です。日本では失明の原因として最も多い疾患です。
初期にはほとんど症状はなく、たまたま他の疾患で眼科を受診した時や、人間ドック等で異常を指摘され発見されます。進行すると見えない部分がある(視野欠損)や視力低下を発症します。進行するほど治療が難しくなることが多く、初期からの治療が重要です。そのため、視力検査の他、視野検査、OCT(光干渉断層計)による網膜の厚さの計測などで初期変化をとらえるように対応しています。
治療は眼圧降下剤の点眼により多くは正常化しますが、十分な眼圧降下が得られない場合はレーザー治療や手術が行われます。
緑内障には次の2つのタイプがあります。
房水は角膜後面と虹彩に挟まれた隅角から眼外に流出されますが、閉塞隅角緑内障は虹彩が前方に移動して、虹彩面が角膜後面に接して、房水流出路が閉塞してしまう緑内障です。
急激な眼痛やかすみを感じ、激しい頭痛、嘔吐により内科疾患と間違いやすい症状となります(緑内障発作)。このような発作が起こった時はレーザー治療あるいは手術が必要となります。
しかし、ゆっくりとした進行の場合もあり、この時は進行するまで症状が出ません。
点眼治療が中心となりますが、進行すれば手術が必要となります。
隅角の閉塞はありませんが、隅角に糖蛋白等が沈着して房水の透過性が低下することが原因です。やはり初期にはほとんど症状がありませんが、進行すれば閉塞隅角緑内障と同様の経過となります。点眼治療が第一選択となりますが、眼圧降下が不十分な時はレーザー治療や手術が必要となります。
水晶体が混濁して光が網膜に届かなくなっていく病気です。初期には“かすみ”などを自覚するだけですが、進行するにつれて視力が低下し、著しく進行すれば、目の前に出された指の数もわからなくなってしまいます。
治療は初期の白内障は目薬で進行を防ぎます。しかし、進行してしまうと手術を受けなければ治りません。白内障の手術は濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、かわりに人間が作った水晶体である人口水晶体(IOL)に入れ替える手術です。手術時間は麻酔(局所麻酔)や消毒の時間を含めても15分程度です。また、手術中、手術後共にほとんど痛みはありません。当院では手術後1時間ほど休んでいただき、その後帰宅してもらいますので、特別な安静も必要ありません。
また、当院では病気による社会生活への負担を軽くする為に、どうしても仕事は休めない、休みたくない方の為に土曜日にも手術を行っております。
目の前に黒い物が飛んで見えるという症状で、硝子体内の色素沈着によるものです。
視機能の低下を来たすことはありません。しかし、網膜剥離の前駆症状であったり、軽度の出血であることもあるので、確実な診断を受けることが必要です。
網膜の静脈が血栓等により閉塞し、眼底出血を起こす病気です。“かすみ”や視野欠損、なんとなく見えにくいといった症状を訴えることが多いのですが、黄斑部に出血が及んだり、浮腫(むくみ)が発生すると急激な視力低下やゆがみが発症します。さらに進行すると新生血管緑内障を起こして、大変重篤な状態となります。ごく軽度の場合は抹消循環改善剤や止血剤の内服で治癒することもありますが、中等症以上ではレーザー治療が中心となります。そして黄斑に異常を認めた場合は抗VEGF療法が適応となります。
抗VEGF療法は眼内に直接薬を投与することにより、新生血管の発生を抑え、黄斑の浮腫を消退させて視力を改善させる為に行われます。
糖尿病が原因で眼底出血を起こし、新生血管が発生して、視機能が低下する病気です。
初期にはほとんど症状がみられないことが多く、単純型→前増殖型→増殖型と病期が進んでいきますが、増殖型まで進行していても症状が無いこともあり、糖尿病の方は定期的な受診が必要となります。
症状としては、少しずつ視力が低下していきますが、急に進行することもあり、無症状の人が硝子体出血を起こし、突然見えなくなることもあります。治療はレーザー治療や抗VEGF療法が中心となります。(網膜静脈閉塞症の項を参照)
滲出型と萎縮型があります。滲出型は網膜の外側にある脈絡膜からの新生血管により発症する病気です。日本には少ない病気でしたが、高齢化や食事の欧米化により増加してきました。症状は中心部が暗くなったりゆがんで見えたりして視力も低下します。
治療は黄斑部の中心窩に新生血管がある時は抗VEGF療法を、中心窩から離れた所に新生血管がある時はレーザー治療が中心となります。
萎縮型に関しては、現在のところ、有効な治療方法は確立されていません。
滲出型と萎縮型があります。滲出型は網膜の外側にある脈絡膜からの新生血管により発症する病気です。日本には少ない病気でしたが、高齢化や食事の欧米化により増加してきました。症状は中心部が暗くなったりゆがんで見えたりして視力も低下します。
治療は黄斑部の中心窩に新生血管がある時は抗VEGF療法を、中心窩から離れた所に新生血管がある時はレーザー治療が中心となります。
萎縮型に関しては、現在のところ、有効な治療方法は確立されていません。
ストレスが原因とされており中年男性に多いとされています。中心部が暗いという症状がみられます。多くは内服治療により1~3か月で改善されます。
スギ花粉症に対しては根治、あるいは長期間の軽快を得ることを目的とした治療です。
低濃度のスギエキスを口腔内から投与し、徐々に濃度を上げて、花粉症を治療します。
3~5年の継続投与が必要となります。
詳しくは鳥居薬品舌下免疫療法HPをご参照ください。